君がいるから~Sweet Life~
第10章 Happybirthday to 智
何だかあっという間に時が過ぎてた
智と偶然再会して、付き合うようになって
一緒に暮らし始めたのはつい最近のようで、気が付いたらもう5年
智の誕生日を祝うのは、4回目
智の事は最初と変わらず愛してるし、その気持ちに全く嘘偽りはない
ただ…
イベント事に疎いのと、あまり欲のない恋人に
毎年この時だけは思い悩まされる
お揃いのリングはもうとっくに身に付けている
スイートテンにはまだ早すぎるし、そもそも女じゃないからアクセサリーってのもどうかと思う訳で
つか、スイートテンは結婚記念日で誕生日じゃねぇか
…こそこそするのもなんだから、直接聞くか
それが一番早いよな
「なぁ、智」
「ん?」
朝飯の納豆を食べながら、視線だけを俺に向ける
…茶碗と口の間に、糸引いてんぞ
智じゃなかったら「汚ぇ」って蔑むとこだ
「誕生日、何が欲しい?」
俺の言葉に、智が少し急いで口の中のものを飲み込んだ
ごきゅん、って音が聞こえそうな勢いだな