君がいるから~Sweet Life~
第10章 Happybirthday to 智
俺のせっかくの名案
なのにこいつときたら、すっげぇ苦い顔
「なんだよ、その顔」
「だって翔ちゃんの手作りって……」
「最近は料理もまともだろ」
ケーキくらい、パティシエ並みに作ってやるっつーの
「いやあのね、気持ちは嬉しいけど遠慮する」
「何でだよ」
「食べれる気がしない」
この野郎、…あっさりきっぱり言ってくれたよ
「ケーキってさ、難しいんだよ?」
「混ぜて焼いて、クリーム飾るだけだろ」
何か違うのか?
「うん、まぁそうなんだけど…その工程が色々あんの」
「つまり俺には無理だと」
「そういう事」
一寸の隙もなく否定だよ
「俺だって上手くは作れないし」
え?
「智、作った事あるの?」
初耳なんですけど
料理は確かに上手いけど、まさかスイーツも?
「え、あ、…うん」
「俺、食った事ない」
「うん」
「なんで?」
「…翔ちゃんとケンカした時に作るから」
なんだそれ
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