君がいるから~Sweet Life~
第1章 S
ニヤリとして、翔ちゃんを見る。
さあ吐け。
俺に八つ当たりした原因ってやつを。
「あ、次で降りて日帰り温泉行こっか」
翔ちゃん、すぐに切り返しに入りやがった。
もう!
だから頭の良い奴はムカつく。
…次の手を考えるしかないか。
でも
どうやったらこのキレる頭を壊せるんだろう
正直思い浮かばない
だけど
知りたい。
隠されるとよけいに知りたい。
翔ちゃんが喋りたくなるような何かがあればいいんだけど
何かないかな…
「智?」
「うぉうっ!」
ふいに、名前を呼ばれて
思わずビクッと体が震えた。
それを見た翔ちゃんが
プハッと吹き出した。
「…またトリップ?」
「ちょっと木星まで…」
「そうなんだ」
「…木星、を突っ込んでよ…」
突っ込まれないもの程、恥ずかしいものはないんだってば
「日帰り温泉で、いい?」
「…お任せします」
泣きそう、俺…