君がいるから~Sweet Life~
第1章 S
翔ちゃんが買ってきたものは全て食べきって
ちょっと苦しくなったお腹を擦りながら
車に乗り込んだ。
同じくらい…いや、それより多く食べたはずの翔ちゃんは
平然としている。
何気に大食いなんだよね、コイツ
俺はもう、シートベルトすら、キツく感じるんだけど…
「翔ちゃん、苦しくないの?」
「全然」
「あ、そう…」
そう言えば、ちょっと顔が丸くなったんじゃないの?
…とは、思ってても言わない
「じゃあ、行きますか」
「はーい」
再び、エンジンを掛けて
車が走り出した
「日帰り温泉行くなら…着替え欲しかったなぁ」
せっかく入るのに
服は勿論下着も変えないのって…
「途中で買えばいいじゃん?」
「え?」
翔ちゃんの性格からして
この超ノープラン自体が有り得ないのに
しかも無駄遣い嫌いなのに
途中で買えばいい、とか
本当、朝から良く分からない事ばっかりだ