君がいるから~Sweet Life~
第1章 S
「ねぇ…」
「…ごめん」
目の前のテーブルには
焼き魚と、冷奴、色々突っ込んだ煮物と味噌汁
そして
茶碗の中の
お粥のような…ごはん。
呆れた声を出す俺に
項垂れている翔ちゃん
「そろそろまともに炊けても良いと思うんだけどなぁ…」
俺、固めのごはんのが好きなんだよね
「…なら、お前がやれよ」
翔ちゃんの逆ギレのような言葉に
ピクリ、と眉が動いた。
「そしたら、いつまで経っても翔ちゃん炊けないでしょ」
「料理オンチですみませんね」
「そんな事言ってないじゃん」
翔ちゃんの顔、ふて腐れてる。
「せっかく高い米買ってても、俺がダメにしちゃうもんね」
「だから、練習するんじゃん」
炊飯の担当は、先々を考えて
翔ちゃんにしたんだろ。
翔ちゃんだって、納得したじゃんか
「なら、練習中なんだから文句言うなよ」
何だか今日は突っかかるなぁ…
「文句なんか言ってない」
「言った」
「言ってない」
いきなり翔ちゃんが椅子から立ち上がった。
「翔ちゃん?」
「ごめん。今、食べたくない」
そう言って、寝室に行ってしまった。
…何なんだよ