君がいるから~Sweet Life~
第1章 S
食卓に残された俺も
何だかイライラしたけど
お腹は空いているから
1人でもそもそと食べ始める。
翔ちゃんと暮らす前は
一人飯なんて当たり前の事だったのに
二人で暮らすようになってから
無性に寂しく感じるようになった。
せっかく上手くできた味噌汁も
美味しく感じない。
「何なんだよ…」
今度は、思わず口に出した。
翔ちゃんの分にラップをかけて
自分の食器を洗う。
失敗したごはんは
後で雑炊にすればいい。
俺が気にくわないのは
ふて腐れた翔ちゃんの態度だ。
昨日、確かに帰って来てから既に
いつもと雰囲気が違っていた。
でも、寝る前には普段の翔ちゃんに戻ってたから
自分の中で、処理したもんだと思ってた。
まあ、珍しく金曜日なのに
えっちをしなかったから、おかしいなとは思ったけど
でも
一緒に住む上で決めたルール
《外のイライラを持ち込まない。話してすっきりさせること》
これがある。