君がいるから~Sweet Life~
第3章 e
二宮は、ストローから手を離し
グラスを横にずらすと
下から俺を上目遣いで見てきた
「んじゃ、ここ奢ってくれます?」
首を傾げて、可愛い仕草が憎ったらしい
「何でだよ」
「だって、教えるんだから俺にも何かメリットがなきゃ」
たかが、米を炊くだけで
何故話がでかくなってるんだ
「米の炊き方だけだろ」
「…じゃあ、教えなーい」
ムカつくなぁ…
けど、聞かないと俺はこれからも失敗するだろうし、智にもまた言われる
ランチなら、奢ってもそう痛くはない
なんなら今度、こいつじゃなくて雅紀に請求してやる
「分かったよ!奢ってやるから教えろって」
「ラッキー♪んじゃ、教えますよ。プラスアルファも」
俺は鞄からメモ帳とボールペンを持って
二宮の「米の炊き方講座」を教わる事になった