君がいるから~Sweet Life~
第3章 e
「…米によっては多少の差はあるけど、大抵は袋の後ろに書いてありますから」
「うんうん」
メモには、大して書くことがない
そりゃそうだ
どれも頭では分かってる事だから
それでも上手くいかないのは
計量の適当さと、水を入れる時の釜の置き方(多分)
「何気にね、お米って深いんですよ」
悪戯っぽく笑う二宮は
ついでだからと「茶飯」の作り方も教えてくれた
「二宮はさ、雅紀に飯作ってやった事ある?」
会話の延長で聞いてみたら
二宮が途端に真っ赤になった
何だどうした?
赤くなるような会話か?
「…ありますよ。1回だけ」
頭から湯気が出そうなくらいに赤い
可愛いな、おい
…智のが可愛いけど
「雅紀、喜んだろ」
好きな人の手料理って、何でも嬉しいもんだし
まして雅紀は二宮にベタ惚れ…
あ、そっか
俺に足りないところ、分かったかも