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奇っ怪談 猥猥談

第3章 鼻血

(たぬ吉実体験)

時は昭和末期。
その頃の私は小学5年か6年で、オナニーを覚えたばかりでした。

オナニーをすると必ず罪悪感に苛まれるのに、まるで中毒のようにやめることはできませんでした。

自分の部屋もないような家に住んでいましたから、オナニーをする場所やエロ本の隠し場所には苦労しました。
秘密基地(廃工場とか)や公民館のトイレの物置とかにそっと隠していました。

現在ではいろいろ煩くなってあまり見ませんが、当時はよく道端にエロ本が落ちていたものです。

ある時、私はエロ本を拾って、隠し場所に困って、よく遊ぶ神社に隠すことにしました。
神社といっても公園が隣接して子供の遊び場所になっていましたし、公会堂もあって、この公会堂は子供会のイベントとかの会場になっていました。

公会堂は子供会のイベントがない時にはあまり人も来ませんから、そこのトイレの物置にエロ本を隠して時々オナニーをしていました。

公会堂とはいえ神社ですから、そんな場所でいけないことをしたという気持ちもあって罪悪感はかなりひどかったのを覚えています。

だから、オナニーする時はなるべく神社へは行かないようにして、他の公民館とかに行くようにしていましたので、いつしか神社の公会堂に隠したエロ本のことは忘れていました。

そんなある日、突然鼻血が出ました。
エロ本を見たりエッチなことを考えたってことは一切なくて、普通にしている時に突然鼻血が出たのです。

しかま鼻血の量はかなり多くて、普通鼻血が出て もティッシュで押さえて上を向いていればすぐに治まるのに、なかなか治まりません。

それから毎日鼻血が出るようになりました。
毎日すごい量でなかなか止まりません。

このままでは出血多量で死んでしまうと怖くなって病院に行ったのですが、どこも悪いところはないとのことでした。

そんなある夜、窓はきちんと閉めて風なんて入ってこないのに、突然カーテンがふわりとなりました。まるで誰かが入ってきたかのように。私には霊感はありませんから、何も見えませんでしたが・・
ただ何もないところで突然カーテンがふわりとしたのです。

鼻血といいこの怪現象といい何かに祟られている、呪いだと思って恐ろしくなりました。

そして私は思い出したのです。神社の公会堂に隠したエロ本のことを。

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