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黒猫と竜は白薔薇に恋をする

第4章 黒猫と竜の歓迎会

料理に関しては、一切妥協の許さないアヤメ。切り方が雑なのはもちろんのこと、数ミリのズレも許さない。混ぜ方の角度、入れる順番ーーとにかく口煩い。


それが原因で、周りからは“白薔薇のおかん”と陰では呼ばれているらしい。なぜ陰なのかと言うと、ポロリと口を滑らせた誰かが、後日こき使われたところを多数に目撃されたためである。




以来“白薔薇のおかん”は表舞台からは消えたのだった。


そして急遽アヤメが新たに選んだ色鮮やかな香草と野菜、果実、肉、魚がずらりと並ぶ。全部自分で完璧に管理しているため、傷みなど一切ない。


「ほらシャル野菜と果実洗って。ラピスは肉と魚切って、味つけはいつも通りでーーレイカは僕とケーキ作るよ」



てきぱきと指示をアヤメが出す。それからシャルが幾度ともなく脱線しそうだったが、その度にアヤメとラピスの監視の強化により未遂に終わった。



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