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キミまでの距離

第3章 伝える

体を抱きしめられたまま、ごろごろと揺れて。

ずっと

こうしたかった。

「ね。」

「ん?」

「明日、昼間のバイト終わったら…夜も、次の日の昼も休みだから、会いたい。」

「うん。おいで。待ってる。明日は金曜日か。土曜日はずっと一緒にいれるんだ。」

「うん。」

「じゃあ昼のバイト終わったらおいで。家で食べよう。なんか用意しとくから。」

「うん!」

「ずっとこうしていたいけど。起きて準備しよーか。」

「そだね。」

名残惜しく体を離してリビングへ行く。

こないだと同じようにコーヒーとトーストを出してくれて食べてから身支度して一緒に出た。

玄関でドアを開ける時に、チュって雅紀に啄むようなキスをして出るとついてこないから、振り向くと真っ赤な顔で、

「反則。」

ってつぶやいた。

「ほら!行くよ。」

手を引っ張って外へ出る。

普通の朝。

でも昨日までと違う。

たのしくて、うれしくて。

思わず鼻歌でもスキップでもしてしまいそうなほど。

俺の世界が色づいた。

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