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キミまでの距離

第3章 伝える

潤くんが俺を見る。

俺は野菜を洗って切るところ。

リーダーが俺を見る。

野菜を置いて、スープの仕込みをする時。

なんだよ。
さっきから。
ふたりして。

「なに?」

ふたりに話しかけると、

「なにって…ねぇ。」

潤くんがリーダーに目配せする。

「なぁ。」

「なにが?」

「にの。うまくいったの?」

うそ。
なんでわかるの?
俺のまん丸くした目を潤くんが笑う。

「だって、ねぇ。顔に出てるって。」

「やったなー。」

リーダーまで。

「へへへ。そうなんだ。うまくいった。」

あー顔から火が出そう。

「マジで今度連れて来いよ。」

「そーそー。」

「ふたりとも、ありがとう。でも雅紀は俺のだからねー。」

「「まさきっていうんだ。」」



……

「そう。」

「どんな人?」

「優しい。可愛い。」

「へぇ…。」

潤くんとリーダーの交互の質問。

雅紀の笑う顔が浮かんだ。
可愛いんだよな。
今なにしてるかなー。

「なんだよ。思い出した?」

俺のぽやっとした顔に潤くんが、

「お前も可愛いぞ。」

って。

へへ。

今日と明日頑張って仕事して、

明日には雅紀に会える。

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