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キミまでの距離

第4章 いくつもの夜

その日。

和がやって来て。

それを見て小さく息を吐いたら少し緊張した目で俺を見た。

初めて見るであろうローション。

俺は後ろから和を包む。

「怖い?」

「…んー。怖いか怖くないかで言うと怖いけど。でも…」

でも?

「雅紀と…」

俺と?

「…ひとつになりたいから。」

……

ギュッと胸が締めつけられた。

和を腕の中に閉じ込めたまま、頭にほっぺをすり寄せる。
こうしてるだけでも幸せなのに。
欲が出るのはなんでだろう。

和のほっぺに、ちゅーをした。

「俺も怖いよ。」

「そうなの?」

「だって初めてだよ?」

「そうだよね…。」

「和を傷つけたり、怖がらせたくない。」

「大丈夫だよ。きっと。」

「乗り越えたいね。」

「うん。」

順番に風呂に入って、もう他のことなんか出来なくて、ベッドへ向かった。

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