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キミまでの距離

第4章 いくつもの夜

動きをとめて指を抜く。

「…どうしたの?」

「和。やめよ。」

「!どうして?」

「だって和、痛そうだし。苦しんでるのがわかるから。」

和は俺の胸に顔をくっつけてきて、

「大丈夫。最後まで…お願い。」

そう言った。

うそだろ。

なんで?

「言ったよね?
雅紀とひとつになりたい、って。」



和。

これ以上好きになるなんてないってくらい好きになってるのに。
際限なく、この愛情は積み重なる。

「ごめんね。」

「謝ることないよ。」

「和。大好き。」

「うん。俺も。
だから俺を全部、雅紀のものにして。」

「和。」

「泣かないで。」

そっと俺の頬に口づける和。

俺が泣いてどうすんだよ。

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