テキストサイズ

キミまでの距離

第6章 独占欲

泣きそうだ、俺。

なんでだろ。

雅紀が泣きそうな顔をしたからかなー。

…なんて思いながら。

ホントに、

雅紀にだけ、

触りたいとか、触って…って思うのは。

ちょっと遠くに行っちゃってた…
俺。
心ここに在らず?


なんか…

せつない。


すっごく、せつない。

説明のしようのない寂しさに襲われて途方に暮れる。

あ、もしかしたら雅紀もさっきこんな気持ちになったのかも。

漠然とだけどそう思えて。

そりゃ元気なくなるね。

納得のいった頭の中。

今まで彷徨ってた目線を雅紀へと移した時。


俺の頬は両手で包まれた。


雅紀の顔が近づいてくる。

少し斜めに傾いて俺の唇に唇を合わす。

目を開けたまま、ぼんやりと目の前の雅紀を見た。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ