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キミまでの距離

第1章 出会い

「これ使って。風呂は入ってきたよね?」

「うん。ありがとう。」

雅紀がスウェットを渡してくれたのに着替える。

「俺がソファで寝るから和はベッドで寝てよ。」

寝室に連れて行かれた。

「俺がソファで寝るから。」

「いーって。お客さんなんだからー。」

「いいってば。」

俺がソファに戻ったら、

「じゃあさ、ベッドの下に布団敷くから寝室においでよ。お客様用で干してないから臭いかな?」

もう1度、寝室へ連れて来られた。

「じゃあもういいや。雅紀がイヤじゃなかったら一緒に寝よう?」

「……マジ?」

「マジ。」

「俺、寝相いいかなぁ?」

「俺は悪くないと思う。セミダブルだし、俺ら痩せてるし大丈夫じゃない?」

「大丈夫…か!」

「うん。襲わないでね。」

「んー。がんばる。」

ふふふ。

ふたりで笑って、やっとベッドに横になった。

「タオルケットで寒くない?」

「うん。へーき。」

「おやすみ、和。」

「おやすみ。」

果たして俺は寝れるのか……

しばらく天井を見て今こうして雅紀のとなりで眠ることを不思議に思って、それから目を閉じた。

雅紀もなかなか寝つけないのか何度か身じろぎして。

俺も寝返りを打つと雅紀の顔が近くにあって。

わあ。可愛いな。やっぱり。

ちゅーしたくなった。

やばい。

やばい?

もう寝よう寝よう!

ギュッと目をつむってもう一度寝返りを打って雅紀に背を向ける。

しばらく悶々としてたけど疲れとビールのおかげで、ようやく眠りに落ちた。

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