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キミまでの距離

第1章 出会い

雅紀は俺のこと友達って思ってるよね。

まあ俺もそう思ってるけど……

でも…違くて。

最近 雅紀のことばっかり考えてる。

今なにしてるかな。
メールしてみようかな。
次いつ会えるかな。

……

恋する乙女かっての。

携帯が鳴ってメールが届いた。

雅紀だ!

『和。今なにしてんの?』

『ゲームしてた。』

『暇なら遊びに来ない?』

『行く!』

住所と簡単な周りの建物や目印が書かれた内容のメールが届いた。

『マンションわかるかも。たぶん。』

『わかんなかったらメールか電話して。』

『りょーかい。』

適当に服着替えてリュックに財布や携帯を突っ込んでソッコー部屋を出た。

頭の中の目的地であろう場所へ着いてマンションの下で確認するとビンゴ。

俺が思ってたマンションだった。

インターホンを押すと、

「おー。早かったね。上がっておいで!」

オートロックを解除してくれたから上がって行くと玄関を開けて、

「和!」

あの笑顔で迎えてくれた。

適当に買ってきたビールやおつまみの入ったビニール袋を渡して部屋を見渡す。

シンプルな片付いた部屋だった。
でも所々置いてある小物やインテリアにセンスがあって。
大袈裟ではないオシャレ感が大人っぽく感じた。

「適当に座ってよ。」

雅紀がビールやおつまみを出すのを見ながらラグの敷いてあるソファの下へ座った。

テレビ下にあったゲーム機に目をやると、

「やる?」

と隣に座りながら言った。

一緒にゲームで遊んで笑って。

ひとしきり遊んで止めてテレビをつけてビールを飲む。
たまたまやってたバラエティにバカ笑いして。

やっぱり雅紀といると楽しい。
なんでもない時間が心地いい。

結構 時間経ってもう寝なきゃって頃。

「和。泊まっていけば?」

「…いーの?」

「うん。和がイヤじゃなければ。」

「じゃあお言葉に甘えて。」

ドキドキしたけど、なんでもない風に言った。

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