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第2章 ある日の楽屋

a side

体を起こして、にのの腕を引っ張ってとなりに座らせた。

恐る恐るみんなの顔を見ると、怒ってはいない。

「あのー…」

なんか喋んないとと口を開くと、松潤に遮られた。

「付き合ってんの?」

にのの顔をチラリと見てから、

「うん。」

と答える。

にのは頷いてる。

「そうかー。びっくりしたけど、ま、お前らは特別だから、ね。」

松潤が言い、翔ちゃんに視線を向けると、

「一心同体…ってやつ?」

そうそう、と松潤が頷いてその言葉に、にのと目を合わせて、へへへと笑った。

「でも、そーゆーのは楽屋で、ね。
俺たちの前だけにしなさいよー。」

リーダーが言いながら目線を俺らのくっついてる腕の下へと滑らせたから翔ちゃんも松潤も見て…

俺がにのの指を握ってたから。

そろりとブランケットの中に隠す。

にのがギュッと手をつないでくる。

俺もそれにギュッギュッと返事してから絡める。

好きだなぁって思う。

でも。
ほんと気をつけよう。
メンバーだったからよかったけど。
他の人に見られたら大変だよね。

眠ってる時にとなりに、にのがいたら普通に吸い寄せられる。
そのぬくもりや匂いに。
そう。“カブトムシ”って歌と同じ。

にのじゃなきゃ誘われないよ。

にのも同じなのかな。

ふふっと笑った俺を見るにのに、
また吸い寄せられて、その頬を撫でてキスしたいと思ったけど、
だめ。

そう。
ここは楽屋。
みんないる。

はい、じゃあそろそろ呼ばれるぞー、
と誰かが言って、準備の為にみんながテーブルの方に向いた瞬間。

ちゅ。

にのの唇にキスを落とした。

立ち上がり、まん丸くなった目で、嬉しそうに笑いながら俺を見上げるにのの手を引っ張って立たせた。

手を離す時、にのがもう1度ギュッと握ってくれた。

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