season
第15章 サンタクロース
ある年のクリスマス。
クリスマスにふたりして彼女もいなければ予定もなく。
だっせー、だの、虚しー、だの
罵り合って笑い合って、文句言いながら相葉くんちでパーティだ!って一緒に過ごした。
気の合うやつと過ごすのは、なんだかんだ言っても楽しい。
女の子とロマンチックに過ごすクリスマスもいいけどさ。
こんなのもいいよな、なんて。
俺に寄り掛かって呟いたほろ酔いの相葉くん。
「にの~。
俺のこと好き~?」
「は~?
なんだよ、いきなり。」
「だって、いっつも俺のこと話してるじゃん?」
「あは!まあね。
お前はおもしろい。ネタが尽きない。俺がハマってるだけかなぁ?みんなもそう思ってるよねぇ?」
「知らないよ、そんなの。」
クフクフ笑って、また同じことを聞く。
「ねぇ~、俺のこと好き~?」
「もぉ、めんどくさいなぁ、
好きだよ!」
言い放つと嬉しいのか、悲しいのか、わからない顔で俺を見た。
あ、せつないって表情か…
なんでそんな顔してんだ?
そう言おうとして、一呼吸置いた時。
「好きだよ?」
「…はい?」
「おれ、にののこと…
すき…
なんだよ…」
「…えっ?」
聞き返したいのか、聞き流したいのかわからなくなって黙ってると、だらんと寄り掛かってた体が俺のあぐらをかいた股に落ちてきて焦る。
…
なんてことはない。
相葉くんが寝落ちしただけのことだった。