season
第15章 サンタクロース
なんだかすっごく懐かしい。
あれからいくつクリスマスは来たっけ?
どれだけこの人の誕生日を一緒に祝ったかな。
“恋人がサンタクロース”
っていう歌がある。
いつだったか、
「俺がサンタ!」
「俺だって!」
って、しょーもない言い合いしたっけ。
ふふふ
「なに…
笑ってんの…?」
すりすり
俺の胸に擦り寄ってくる可愛い恋人。
その可愛いかたまりを包み込んで、サラサラの髪の毛にキスをする。
「やっぱり俺がサンタでしょ?って話。」
寝ぼけまなこで俺を見つめてるくせに、覚えてたみたいですぐに反論してきた。
「んー、俺がサンタ…」
ふむ。
譲らないのか。
手探りで乳首を摘んで、くにくにと弄ると、くぐもった声。
「ふっ、あ…っ、
な…にぃ…」
「やっぱ俺かなー、って思って。
お前をこんなにとろっとろにできるのとか、さ。
愛情捧げてるのとか、さー?」
「ぁん…」
また可愛がっちゃおっかな。
静かな聖なる夜。
まだまだ夜は長い。
キスの途中で想いを紡ぐ。
「俺はいつまでもお前のサンタクロースでいたいけど。
いつもお前がこうして俺のとなりで眠ってくれるのなら…
こんな幸せくれるんだから…
お前が俺のサンタクロースだね。」
「にの…」
涙を溜めてうるうるの瞳でキスをねだる。
それにちゃんと応えて今日何度目かの言葉を贈ろう。
「誕生日おめでとう。」
ありがと、って涙色の声も俺がキスで吸い込んだ。
2017.12.24