season
第16章 still love
少しずつ酔いが覚めて。
気恥ずかしさもあったから離れようと体を動かした。
本当はまだそのままでいたかったんだ。
しなだれかかるのは覚えのある重さや感触。
お酒が入り熱を持った独特な体温さえも。
「送ってってやれば?」
そう言って翔ちゃんはいつもより優しく笑った。
はなそうと体をずらしたのに、にのは逆にしっかりと俺に覆い被さる。
そのままおんぶしてあげると全てを預けた。
「相葉くん…」
名前を呼ばれてツンとした鼻の奥。
お前、寝ぼけてんの?
それともすっかり夢の中?
「…にの…
すき…だよ…
いまでも…」
ちゃんと起きてるにのに言えたらよかったかな。
そう思った時。
きゅっとなったにのの腕。
ーーにのーーー
起こしたいような、このままでいたいような。
答えは出ないのは、この胸の中にあるのが痛みなのか愛しさなのか、わからないのと似ていて。
背中のにのの体温や呼吸を感じる今。
この眠りを守るだけでいいや、と思った。
今、俺がしてやれること。
うんしょ。
安心してるからなのか重みを増したにのを、おぶりなおすと俺は笑った。
happy birthday nino💛
2018.6.17