ラブリー
第3章 la vie en rose
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神様がいるとしたら。
俺は試されてるのか。
弄ばれてるのか。
ひとつ大きな仕事が入って。
いや、仕事に大きいも小さいもないんだけどね。
だけど自分にとっても、嵐にとっても、引いては事務所にも。
分岐点だったり、ベクトルだったり、
今後を左右するのは確かだ。
漠然とだけどしっかりやらないとって。
とても大事なこととして受け止めていた。
もちろん緊張もあって武者震いみたいなものも生まれる。
得体の知れない不安も。
そんなのを払拭するためっていえば変だけど、あいつのことを思い浮かべた。
仕事と同じように、どうなるのかわからない先に少し怖くなって。
大丈夫
心の中で呟いてみる。
無性にあいつに会いたくなって携帯を手に取った。
電話?
メール?
…
ごちゃごちゃ考えても仕方ない。
えぃ!
《今どこ?なにしてる?》
すぐに返信がきたことと表示している言葉に驚いた。
《帰るとこ。にのは?ちょっと会えない?》
表示された文字を見て、出掛ける準備をしたのに、もう一度、届いたメール。
《にのは家?今から行く。》
マジ?
自分から連絡しといて心の準備がー、なんてジタバタした。