ラブリー
第3章 la vie en rose
相葉くんが俺の部屋にいる。
ただそれだけでドキドキしてしまって、まともに顔を見るのも…喋るのさえもギクシャクする始末。
時々遊びに来てはいたけどその時と今はまるで意味が違う。
「聞いた。
おめでとう?」
「なんで疑問形?」
ふふふ、と笑うとつられて笑うあいつに胸の高鳴りは鎮まって、代わりに安らぎみたいなものを感じていた。
ソファに座った相葉くんに飲み物でも出すかと冷蔵庫に向かう。
缶ビールとペットボトルのお茶を取り出して、
「お前飲む?車?」
つまみになるようなのがあったっけ、と冷蔵庫の中を見回す。
返事がないから振り向くと、後ろに相葉くんがいてビックリした。
「なんだよ、ビックリした、」
俺の反応はスルーして、思いつめた表情の相葉くんが静かにしゃがんだ。
どした?
つられてしゃがんで動けずにいる俺はなんでか相葉くんの顎のラインが綺麗だな、なんて輪郭に目を奪われていて。
その顎のラインが斜めになったのをぼんやりと見つめて。
ゆっくりと顔が近づいてくる。
スローモーションみたいだ。
俺の肩を掴むと唇があてられた。
さっきよりも更に驚いて手にしていたものが転げ落ちた。