ラブリー
第4章 la vie en rose 2
目の前のいとしいかたまりをぎゅーぎゅーに抱きしめる。
「痛いって!」
「にのー!おかえりー!」
「んふ、ただいまー。」
にのだ。
俺のにのだ。
夢にまでみたにのが俺の腕の中にいる。
やらかい頬に頬ずりして髪の毛の匂いを吸い込んだ。
抱き心地を確かめるとなんにも変わってない。
しばらく抱っこしてたけど、やっぱ、ちゅーしたい。
少し隙間を作るとにのも察したのか口を突き出す。
…可愛いな。
ゆっくり唇を合わせると涙が出そうになって。
ぐずっ。
「お前…泣いてんの?」
笑ってるにのがもう一度キスしてきた。
それからまたきつく抱きしめ直したら、にのも同じくらい抱きついてきて。
もう本当に離れたくない。
でもいつまでもこうやってる訳にいかないし。
風呂上がりらしくすっかり部屋着でリラックスしてるにのは俺にも入ってこいと促した。
「ちょっと寝っ転がりたいからベッドにいるよ。」
浴室に進む俺に、ごゆっくりー、って言って寝室へと入っていった。