ラブリー
第6章 シリウス
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翔ちゃんが俺を見るなり肩を抱き寄せて顔を近づけた。
「近い。」
「そう?」
「なによ?」
「いや、なんかあった?」
「なんかって?」
しばらくすると騒がしく楽屋のドアが開いてあいつが入ってきた。
「おはよ!」
「おはよー。」
「おはよう。あれからすぐ寝れた?」
「うん。翔ちゃんは?」
「うん、ぐっすり。」
二人の会話で昨日は一緒だったんだと知る。
「飲み行ったんだ。」
「うん。」
「お酒残ってないかー?」
くんくんと嗅ぐと、うひゃひゃ、と笑った相葉くん。
リーダーや潤くんもやってきて、いつもの楽屋。
「またじゃれてんの?」
「朝からうるさいー。」
それぞれがいつもの場所に荷物を置いて腰を下ろした。
昼間はそうだったんだ。
その夜。
《ちょっといい?》
メッセージが届いたかと思うとすぐに部屋のインターホンが鳴った。
どうかしたのか?
いつもと変わりなかった昼間を思い出しながらリビングへと促すと普段ならソファに座るのに突っ立ってる。
「どうした?」
いつもと違う様子になにか悩みでもあるのかと、できるだけ優しく声をかけた。