ラブリー
第6章 シリウス
あれから最初の1ヶ月は全然ダメ。
俺は普通にしてるつもり。
でも相葉くんはとても普通とは言えない感じで。
なにができるだけ普通にするから、だよ。
どこが今まで通り、なんだ?
まず近くにいない。
必要以上に喋らない。
ふんっ。
腹立つなー。
楽屋でみんなで一緒にいる時でさえこれなんだから、二人になるなんてことはなかった。
何回か一緒に帰ろうと声をかけたけど空振り。
忙しそうだったから俺も遠慮してしまったのもあって。
こんなの。
お前はそれでいいのかよ?
俺はやだよ。
なんか最近、相葉くんのことばっか考えてる。
…もしかしてこれあいつの思うツボってこと?
…まさかね。
だって一緒にいないのは楽しくもなんともないじゃんか。
そして今日もめげずに誘う俺って。
健気で泣けてくるわ。
「ご飯食べて帰ろう。」
「あ、ごめん、今日はちょっと、」
ジロリと睨んでやる。
「ちょっと、なんだよ。」
「ちょっと、そ、用事があるの!」
バタバタと帰るのを見送るけど今日はこのまま引かないからね。