ラブリー
第6章 シリウス
マネが一つ寄るところがあったのを忘れてて、すぐ済むから先に行っててと、俺だけ駐車場に着いた。
あれ?
相葉くん?
あの人もここで仕事だったんだ。
車で来てたの?
声をかけようと歩み寄り、一人じゃないのに気づいて立ち止まる。
…
そばにいたのは女の子。
なぜかその子は相葉くんの車に乗った。
嫌な気持ちが胸の中でざらついて仕方ない。
隠れるようにして様子を見ていると車のエンジンがかかり二人はそのまま駐車場を後にした。
車に乗ってマネを待つ間、携帯を手にしたはいいけど文字を打つことができない。
その子誰?
なんで一緒に車に乗ったの?
「お待たせしました!」
少し息を切らしてマネが車に乗り込んできた。
「二宮さん?」
「ああ、用事済んだ?」
「はい、すみませんでした。お疲れですね、すぐ帰りましょう。」
笑顔で彼は一度後ろを振り返ったあと車を発進させた。
家に着くまで、相葉くんと女の子の姿を思い出して気持ちが沈む。
相葉くんとどんな関係なんだろう。
ずっと浮かんでるそれを頭から消し去りたくて背もたれに頬をつけて目を閉じた。