ラブリー
第6章 シリウス
チリチリ
胸の奥の方が痛い。
そんなの…
「あ、その顔。
まさか考えてなかったとか言うなよ?」
翔ちゃんは呆れて、ふぅ、と大きく息を吐いた。
もごもごと口をつぐんでチラチラと翔ちゃんがなんか言うのを待ってたら聞き慣れた声。
「翔くん。相葉ちゃんいじめんなよ。」
声のする方を向けば、ふにゃりと笑うリーダー。
「智くん、おつかれー。」
「おつかれ。
相葉ちゃん、大丈夫か?」
いつもとなんも変わらないその物言いに安心した。
ふえっ…
そこにいるリーダーに癒される。
「…リーダー。」
「どした?」
俺の頭をポンと触って、なんでも聞いてくれる雰囲気で見てそのまま隣に座ったリーダー。
「あ、あのー、俺の隣…」
「もう、ちょっと黙ってて。
翔くん、俺の飲み物、頼んどいて。」
なんだかおかしな二人のやり取りに、ぷぷ、と笑ってしまう。
「お!いいね。俺、笑ってる相葉ちゃんが好きだ。」
「俺も!」
翔ちゃん、声大きいってば。
二人とも…
鼻をすすって残ってたビールを飲み干した。
「翔ちゃん、おかわり!」
「ふふ、はいよ。」
漠然と思ったんだ。
ここに、にのがいたらな、って。