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ラブリー

第6章 シリウス



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「にのぉ…」





さっきから何度も甘えた声で俺の名前を呼ぶ。


立てるのか?


とりあえず髪の毛をクシャと触って声をかける。

「相葉くん、立てる?」

「んー、むりー。」

「無理って…頼むよ。」

手を握って引っ張ってみるとギュッと握り返した。

そしてキョトン顔で見上げる。

「に、の?」

見上げた先、俺と視線が合うけど…見えてる?

焦点あってんの?

その目を覗き込んで話しかける。

「起きた?帰ろ?」

「ふぇ?」

ふぇ、じゃないよ。

俺だってわかってる?

酔ってたのか眠かっただけなのかわからないけど。

「にの?どうして?」

ようやく俺を認識したらしいから呆れてため息がこぼれたけど優しく立つのを促した。

「車?」

手伝ってくれる翔ちゃんから聞かれて、タクシーで来たと応えるとリーダーが相葉くんの荷物を俺に渡す。

「出てすぐのところ、タクシー停まってるはず。」

「…わかった。サンキュ。」

ちょっとさ。

聞きたいこと山ほどあるんだけど。

俺の言いたいことを汲み取って、にやりと笑うリーダー。

「俺らのことはまた追い追い。」

「追い追い…ね。」

なんだかよくわからないから愛想笑いで返しておいた。

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