ラブリー
第6章 シリウス
相葉くんはそれはそれは俺を甘やかした。
部屋の中ではすぐ抱きしめてきて、すりすりと頬を合わす。
キスだって暇さえあれば甘く仕掛けてくる。
玄関で、リビングで、キッチンで。
座ってテレビ観ててもゲームしてても後ろから抱きついてくる。
今じゃ相葉くんが先に座ってると自然と空間ができるから、足元に埋まるように俺は収まる。
でも。
今日もまた、おやすみ、とキスをして眠りにつく。
なんでだろ。
あんなにいっぱいキスするのに。
抱きしめられる度に愛情を感じてるのに。
肌を合わせることはしない。
セックスしないのは俺に欲情しないから?
男同志のそれは興味ないのかな。
好きって、
可愛いって、
うるさいくらい言ってるけど。
ペットみたいに可愛いってことなのかもしれない。
そんなことを考えて眠れないでいると、となりの相葉くんが声をかけてきた。
もう寝てたんじゃなかったの?
「にの?眠れない?」
小さい声で話しかける。
「…泣いてるの?」
泣いてないよ。
なに言ってんの?と思いながら顔を触ると涙らしき水滴を指に感じた。