ラブリー
第6章 シリウス
そんなこと考えてたんだ。
俺のことを…
「相葉くん?」
「んー。」
胸にうずくまったままの頭がいとしくて仕方ない。
髪の毛を撫でると幸せな気持ちでいっぱいになる。
この人も幸せな気持ちになってるかな。
それとも我慢とかしちゃってるんだろうか。
キモチもカラダも。
「相葉くん?」
「んー、」
「だいすき…」
胸のあたりでぐりぐり動いてたのが止まった。
うれしいの?
驚いてるの?
「優しいね。
俺のこと考えてくれて。
誰にでも優しいの?
恋人には特別?
今までの彼女もさぞ幸せだっただろうね。」
「…な、なに言ってんだよ、」
相葉くんはチラと上を向いて俺を少し睨んだ。
俺はつらつらと出た言葉を止めた。
思わぬ方向に向かってしまった思考を一旦引き取ってみる。
ひとつひとつ。
「えっと…
そんな優しい相葉くんが好き。
こうしているの、幸せだって思う。
お前も思ってる?
俺はもう覚悟っていうか…
そういうの大丈夫って。
その…大丈夫…だからさ。」
次々と述べた素直な今の気持ち。
「え…でも…」
相葉くんはちゃんと目を見てくれた。
だけどまだ戸惑いを隠せない愛しい人に愛を紡ぐ。
「もっと、しあわせになれる、
きっと。」