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ラブリー

第6章 シリウス



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にのはそんなことを言ってまた俺を撫でてくれる。


にのと同じだよ。


しあわせ、感じてるよ。


もぞもぞ


にのの口を目指して這い上がる。



ちゅ



そっと触れるだけ。


それだけでうれしい。

それだけでしあわせ。


だけど。

「にの?」

「ん?」

「キスだけでうれしいんだ。」

「うん。」

「しあわせ。」

「へへへっ、うん。」

そう…照れ笑いしてるお前がいるだけで。

ぎゅっとして伝える。



「にのがいれば、それだけでいい。」



俺の背中に回された手がぎゅうと力を込めた。

抱きしめ返してくれてる。

「なのに…いいの?ほんとに。」

「いーの。」

「にの…俺のこと嫌いにならな、」

「ならない。」

「ほんと、」

いつまでとグダグダ言ってる俺の口を塞ぐみたいなキスをされた。

「ヤキモチ…?妬いた。」

「なにが?」

「さっき自分で言っといて。
お前の歴代の彼女とかに。」

「え?」

「お前が優しくしたのかと思うとムカつく。

過去のことに腹立てても仕方ないのに。」

「にの。」

「こんなこと思うくらい…

好き、だから、」

にのは恥ずかしそうに胸にくっついた。

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