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ラブリー

第2章 sly



彼女が出来てもにのと俺の関係は変わらなかった。

会うのや泊まる回数はそりゃ減ったけど。

久しぶりに一緒に寝る時は会えなかった時間を埋めるように、くっついて眠った。

双子が片割れと一緒で安心するかのように。

お互いの足りないのを補うように。



そしてある日。

コンサート終わりの地方のホテル。

非日常で興奮してる状態で、
ちゅーしてしまったのがいけなかった。

いつもの重ねるだけのキスじゃなくて深いキスをしてしまったんだ。

それは…

びっくりするくらい気持ちよくて。

感じるとかじゃない。

ただすごく気持ちがよかった。

ぴったりハマった。

パズルのピース、最後のひとつがそこに収まったという感覚。

俺がハッとしてにのを見ると、にのも俺を見て少し困ったような顔をして笑った。

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