
ラブリー
第2章 sly
仕事終わり、にのにダメ元で声をかけてみた。
「この後…」
「…相葉くんち…
行く?」
俺が言い終わる前、被せ気味な言葉とは反対に、頼りなげな視線は少し合わせただけで足元へと落とされた。
「え…いいの?」
「なんで?」
まさかのOKにビックリして余計なことを言って焦る俺。
確認したらダメなやつだった。
そこはもう普通に、このまま連れ去っちゃえばいいのに。
「あ、ううん、帰ろ?」
「ん。」
やったー。
ラッキー。
効果あり?
さっきの会話も“勉強会”での教え?を実践していたんだよな。
それが効いたんだってニヤつく口元を引き締めて。
にのの背中を見ながら身の回りのものをバッグに入れる。
“余り全てを見せない”
交友関係
プライベート
いわゆる…ミステリアスな部分をつくる…
含みを持たせて気を引く…ってゆー、ありがちな。
だから松潤にも今までだったらきっと言ってたはずの、今度飲み会においでよ、なんて言わなかった。
にのにも俺の最近の様子をチラつかせて。
「ヤキモチ妬かせたな?
相葉ちゃん。」
コソッとリーダーにされた耳打ち。
しーっ。
人差し指を口に当てる仕草でリーダーに目配せをした。
