ラブリー
第1章 いとしいひと
気まずい空気。
「どした?」
電話を終えると翔ちゃんがわざと振ってくれた。
「あ、うん。ちょっと…。
前から計画してた飲み会。
今日ずっと忙しくて都合が合わなかった人が来れるらしくて。みんな揃う、もうしばらく難しいから是非、って…。」
ハキハキと説明が出来なくて尻すぼみに小さくなった声に自分で情けなくなる。
「番組のでしょ、それは参加しとかないと。付き合いも仕事の内。」
松潤がポンと肩を叩く。
「そーだな。
でもちょっと可哀想だったね、今のは。めっちゃ喜んでるにの見ちゃったからさ。」
少し離れた場所に座り俺たちのやり取りは聞こえてるはずなのにゲーム片手に視線を合わさないでいたにのが言葉を放つ。
「もー!ホントだよ。
めちゃくちゃテンション上がってたのにー。」
大袈裟にぷりぷり怒ってみせる。
怒ってなんかないのに。
「そう。仕事の延長だからね。
俺はいつでも大丈夫。
行ってらっしゃい。」
そう言ってぎこちない笑顔を向けた。