テキストサイズ

ラブリー

第2章 sly



相葉くんはご機嫌でやって来て荷物をダイニングテーブルに置いた。

「にの、もう食べた?」

「んにゃ。」

「ほら、これ好きだろ。
それとこれも。なんか…元気出るって。」

テイクアウトの洒落た箱には春巻きや餃子が、これまた脇にオシャレに飾られた野菜と一緒に収まってる。

触るとまだ温かいスープ。

「なんだっけ、薬膳?でもクセがなくておいしいよ。」

蓋を開けてひとくち…と飲むと本当に美味しい。

相葉くんと目を合わせて、うまいと目だけで伝えて、ひとくちでは済まなくてズイズイと飲み続ける。

「ふふ。おいしい?
疲労回復、安眠効果?だったっかな、それもあるって。」

安眠…ね…

タイムリーな。

俺の睡眠を知ってんのか?

誰のせいだと思ってんだよ。

でもさ。

これ飲んで相葉くんに包まれて眠りにつけたら。

安眠、間違いないね。

少し先の今日が待ち遠しい。

あー、これ食べたらお風呂溜めよう。

なんなら一緒に入るか?

にやける顔を見られたから慌てて箸を取って春巻きにそれを伸ばす。

向かいのイスに座る相葉くんがニコニコして見てる。

半分かじった春巻きを口の前に突き出すとパクッと食べた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ