
ラブリー
第2章 sly
キョトン顔で俺を見てる。
動きが止まって数秒。
俺も動かずそこにいたから、なかなか長く感じた。
相葉くんは靴を脱いで俺に歩み寄り、ポスンとそのまま腕の中。
「にの、おやすみ。」
なんだ。
帰らない訳じゃないんだ。
あーあ。
うな垂れ、もたれるようにだらんとした体をグイッと立たされて、ほっぺを両手で包んで上を向かされると、ちゅ、とキスをひとつ。
もっと。
もっとキスをちょうだい。
そんなの言えない。
離れた相葉くんは今度こそ玄関のドアを開けると出ていってしまった。
寂しい
早くお風呂入って早く寝てしまおう。
ベッドに向かって布団の中に潜り込んだ。
右へゴロン。
…眠れない。
枕の横に置いてた携帯を触るとメッセージが届いてて。
いつ来たんだろ。
全然気づかなかった。
『にの、◯◯さんと飲んでてさ。
出てこいよ!』
…潤くん。
ごめんよー。
もう出てく元気ないよー。
て、まだ早い時間だよね?飲んでる人からしたら。
それにメッセージは少し前に届いてたんだし。
共通の知り合いだから連絡してきてくれたんだよね。
文字を打ちながら、たまには挨拶しとこ、と思い立ち入力するのを中断して通話をタップした。
