
ラブリー
第2章 sly
数回のコールを聞いて繋がった電話。
『潤くん?』
『お、にの!
珍しいな。電話してくるなんて。』
嬉しそうなテンション高めの声。
『でしょ?』
『でも出てくる気はないって感じ?』
見抜かれてる。
さすが潤くん。
感心して言葉を続けた。
『そー、ごめん。◯◯さんは?』
『ちょっと待ってな。』
ゴソゴソと音がして、◯◯さんに代わって。
付き合い悪いぞ、たまには顔見せろよ、と言う◯◯さんに、お久しぶりです、と挨拶した後、また今度、と謝罪をした。
『にの?』
潤くんに戻った電話。
『潤くん、飲みすぎんなよ?』
『にの、最近、元気ないな。
今日も声…』
『そんなことないよ。』
『なんかあった?』
優しいな。
少し胸が詰まって、できるだけ明るく返事をしようと思うけど短い言葉が精一杯。
『大丈夫。』
『そうか?
なんかあったらいつでも言って?』
『ありがと。』
じゃあね、と通話を終わらせて、ゴロンと寝転んだ。
今夜
相葉くんにくっついて眠りたかったな。
その願いは大きくて無理なのか、ささやかでたやすいのか、わからない。
もう家に帰り着いたかな。
そんなことを思いながら目をつむった。
