
ラブリー
第2章 sly
「別に、」
別に…ってなんだよ。
自分の言葉に心の中でつっ込んだ。
否定も肯定もせず。
…って、いいのかこれ?
これであってる?
俺の態度。
もはや正解なんてわからないんだから困ったもんだ。
本当はもっと含みを持たせた返答すればいいんだろうけど、ナナコちゃんにも悪いし、元々嘘つけない、つきたくない性分。
だから…
この前と同じ。
俺はリーダーたちに言ってるようで、にのに聞かせてるのか?
現に言った後、にのの反応を見たくてソワソワ。
内心かなり動揺してる俺はとっさににのを見た。
普通を装ってるけど心なしか肩が落ちてるのがわかって、なにか言おうと言葉を探す。
その時。
「なんか…やだなぁ。」
ポツリと、でもハッキリと聞こえた。
翔ちゃん…?
声の主は翔ちゃんで、そちらに向くと目線は手元の資料に落としたまま。
「余計なこと言うのはよそうと思ってたけどさ。
なんか嫌だよ、相葉くん。」
表情は怒ってて。
「にのが…」
そこで口をつぐんで。
「相葉くん。
…似合わないよ?」
ドキリとした。
似合わない…
自分でも思ってたことを言い当てられたから。
