
ラブリー
第2章 sly
さっきから、いたたまれなかったんだと思う。
にのは、そろっと楽屋から出て行った。
しんと静まり返った楽屋。
「にのが可哀想。
なにがあったのか知らないけどさ。もうよしたら?」
…
なんにも言えない。
「なにが?」
それまで黙って事の成り行きを見守っていたリーダーが話に割り込んできた。
「たぶん…相葉くん、にのにヤキモチ妬かせようとしてるんでしょ?」
翔ちゃん、わかってたんだ。
情けない。
俺は、はーっ、と長く息を吐き出して翔ちゃんの方に体を向けた。
「…そう。
ごめんなさい。」
「俺にじゃなくて。
にのに謝ってこいよ。」
うなだれてる俺に松潤が話しかける。
「こないだ、にのと電話で話したんだよ。飲みの誘いで。来なかったけどね。その時も元気なかったんだ。
ここんとこ、ずっと元気なかったよな。」
松潤が、にのが出て行ったドアを見つめて、その松潤の横を通りリーダーが俺のそばにきて、
「あれだろ、にののことだから、なんか相葉ちゃんに言ったんだろ?」
「……」
何も言えないでいる俺の背中をトンと軽く叩いて笑って続けた。
「にのは天邪鬼でぇ、意地っ張りでぇ、寂しがりやでぇ、」
リーダー…
