
ラブリー
第2章 sly
にのを探しに楽屋を出た。
…にのは天邪鬼で……
自販機にはいない。
…にのは意地っ張りで……
トイレにもいない。
…にのは寂しがりやで……
非常階段にも…いない。
どうしよ。
駐車場にも言ってみるか、と地下に向かうためエレベーターへと足を向けた時に携帯に着信。
『相葉くん、にの戻ってきた。』
松潤の連絡にホッとして楽屋に戻る。
走り回ったせいで息が上がってしまって唾を飲み込むけど苦しい。
廊下をトボトボと歩いていると、さっきのにのの後ろ姿を思い出した。
俺が見つけたかったな。
そんで、言い訳もごめんも嫌ってほど言って、ぎゅうぎゅうに抱きしめたかった。
楽屋のドアの前。
早くにのの顔を見たいのに、なかなか中に入れない。
よし。
気合い入れてドアを開けて、キョロキョロとにのを探す。
捉えた、にのの姿は想定外。
翔ちゃんにベッタリ。
隣りに座って翔ちゃんの肩に寄りかかり目を閉じてる。
あーあ。
あれは俺のポジションなのになぁ。
リーダーにも、しょっちゅうしてるけど、ふざけてるだけ。
くつろぐように俺の隣りにいるんだよ、いつもにのは。
