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ラブリー

第2章 sly



手こずると思ってたのに、すんなり俺と一緒に帰ってきたにの。

どっから話そう。

荷物を置いただけでそのままリビングに突っ立ってるにののそばに行くと一歩後ずさり。

俯いてるその顔をそっと上に向けると、なにか言いたそうにしてるけど口は開かない。

「にの?」

優しく優しく名前を呼ぶ。

チラリ上目遣い。

俺の大好きな茶色の瞳は今日もうるうるだ。

えっと…

なんか言わなきゃ。

至近距離で二人して突っ立ってて妙な雰囲気。

沈黙を破って声を発したのはにので。

「か、」

続けると思ったのに次の言葉を言わないから聞き返す。

「か?」

「彼女できた?」

…あれ?

フォローしたんじゃないの?

言ってたよね、さっき。

「松潤たちから聞いてない、の?」

「大丈夫だとか、相葉ちゃんバカだなとか、言ってた。」

え?

フォローは?

あの二人をありがたく思ってた俺って。

「他には?」

「翔ちゃんが…」

頼む、翔ちゃん。

「翔ちゃんが?」

さっきから繰り返してる自分に必死か、と心の中でつっ込んでる。

「相葉くんはヤキモチを妬かせたんだ、って…」

そうそう!

それそれ!

俺の作戦がバレてカッコ悪いけど、もうそんなのはどうでもよかった。

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