
ラブリー
第2章 sly
side a
にのが泣いてる。
いつもはセックスの終盤、快感に顔を歪めて流す涙。
生理的なそれだと理解していたんだけど、少し前にいくつも流れるそれが気になって。
その時のことを思い出してたら動きが中途半端になっていたのか、にのに不思議そうに見られていた。
「あ、ごめん。」
「最中になに考えてんだ。失礼だな。」
責める割に涙に濡れた顔だから可愛いやら、かわいそうやら。
「にのが泣いてるから。痛い?」
指で涙を拭ってやると照れくさそうに、その手にそのまま顔を寄せた。
「痛くない。
うれしくて、
しあわせで、
涙が出る。」
キュ
にの、胸が苦しいよ。
「心臓が痛い。
にのが可愛くて。」
可愛い可愛いにのにキスして口の中を舐め回してから、今度はどこをどう攻めようか胸やお腹に這いずりまわった。
その途中やっぱり訊いてみる。
「前も泣いてたよ、よく泣いてた。なんで?」
「…」
「嬉しかった…からじゃないよね?意味ない涙だった?生理的な?」
にのは声を我慢して身悶えながら顔を半分枕に押しつけて息を吐いた後に教えてくてた。
「悲しかったから、かな。」
