
ラブリー
第2章 sly
悲しかった?
なにが?
悲しくて泣いてたなんて…
今それを聞いて俺が悲しくなってどうする。
ちゃんと聞かないと。
にのの頭を撫でて目を見て言った。
「悲しかったの?」
「うん。
相葉くんとエッチするの、これが最後だったらどうしよう…とか…思って。」
そこまでとは思わなかった。
にのの思いに胸が締めつけられる。
そんなこと考えてたんだ。
それはどんなに悲しかっただろう。
「終わりがきたらどうしよう、って。考えたくないのに、そんなことをいつも考えて…
自分で相葉くんに色々言ってたし…」
次から次へ涙が出てくるのをジッと見ていた。
俺のことを思って苦しくなって、色々考えて悲しくなって泣いて。
もういいよ。
なんにも心配いらない。
そのままでいいんだから。
俺だって男同士とか先のこととか、考えることもあるけど。
先のことは正直わかんない。
それは男同士じゃなくてもそうだろ?
だからさ。
今を…この今を大切にしてみない?
素直に、ありのままの気持ちで。
「にの…」
少し泣くのが落ち着いたにのを包み込んで俺の思いを話した。
