ラブリー
第2章 sly
にのを後ろから抱きしめたら、まわした俺の腕をさすって口を這わせてから指を絡めて繋ぐ。
…可愛いがあふれてる。
嫌になるくらいだ。
なんでこんなに可愛いの。
「んふふ。」
「どうした?」
「しあわせ。」
…もう…
可愛い、かわいよぉ
にのの身体をくるりと向きを変えるように促したら胸に擦り寄ってきて。
「しあわせ。」
俺も同じ言葉を言った。
「あとね…」
「うん?」
「にのがこんな甘えんぼとは知らなかった。」
「嫌?」
胸に片耳つけてポソッと言う。
「嫌な訳ない。」
「ずっとこうしたかった気がする。
素直になるって、いいね。」
それは心から安心した声で。
頬をひと撫でして顎を掬い上げて口づけを落とす。
「これからは甘えてね。
俺だけに。」
やっと本当の意味でにのを手に入れた。
俺の変な作戦は効果があったってことでいいのかな。
今回はこれがキッカケでかなりいい方に動いて結果オーライだけどさ、にのを悲しませるようなことはしないようにしないと。
下を向くと、にこにこして俺を見てるにのが顔を近づけてきてキスをした。
…こんなの…
素っ気なくても、甘えんぼでも。
どっちにしたって俺は振り回されるんだなって。
それもいいか…
にのが腕の中にいるんなら。
end.