ラブリー
第3章 la vie en rose
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にのに新しくドラマの話がきていたのは知ってた。
それは自動的にあのキスの思い出が蘇る。
いくつもの季節が巡って。
この世界に入ってから、みんなも俺だってそれなりにドラマの仕事は入っていたから、さほど驚きはしないけど。
でもにのは特別。
ひとつ作品が終わるごとに、いろんな形で評価されて業界も世間も身内も、一目も二目も置いて。
“演技派の戦士”
どこかの取材でキャッチコピーがついたのか、はたまた事務所がそう銘打ったのか。
グループとしてデビューしてからもそんなにのの活躍をメンバーの俺たちも誇りに思っていた。
ジュニア時代から少しずつ確実にキャリアと実績を積むのをうまく言えないけど羨ましいとも思ったり、負けれられないなと鼓舞したり?
だからといってやっぱり別の次元というか…
にのの演技のなんたるかは感性、天性のものだ。
コンスタントに役者の仕事が入るのも当たり前。
俺は役者のにののファンだと自覚していたし、演技の仕事を楽しみにしていたのは…内緒。
でもドラマに入ると必然的に忙しくなって、会えなくなるのはやっぱり寂しい。