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ラブリー

第3章 la vie en rose



その寂しいという気持ちに無情にも拍車をかける内容を知ってしまい思いの外ショックを受けている自分がいる。

遠い地での撮影のドラマだとか。

にのは、そんな俺を知ってか知らずか、いつもはリーダーと一緒にふざけてることが多いのに最近はもっぱら俺の隣り。

「にのー、いつからだっけ?」

翔ちゃんから声をかけられる。

「月末?でもまずは来週一回行く。」

「もう寒いのかな。」

「寒いよ。にの風邪ひかないように気をつけるんだぞ。」

リーダー、松潤も。

撮影がある北の地を思い、みんな心配して気もそぞろ。


お前は?

お前はなんも言うことないの?


そう言ってるみたいな目で俺を見る。


実感がないんだよ。

でも意味もなく不安になってるのもあって、ここんとこずっと落ち着かない。

翔ちゃんと松潤が取材で呼ばれて、リーダーはヘアメイクに。






まずい。

沈黙なんてまずい。

なんか喋んなきゃ。

そう思って口を開こうとしたのに喋れなくなった。



にのに口を塞がれた。



とくん



この前と同じ。

胸が鳴る。

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