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ネットに落ちてた怖い話

第51章 晴美の末路

晴美はある程度の衣服やその他諸々を旅行鞄に詰め込み、そのまま連れて行かれました。
別れ際も、私の方なんて見ずにつつ~と出て行きましたね。
結構気丈な女なんですよ。

1人残されたアパートで、私はしばらくボーッとしてました。
明日にでもスナック辞めてどこかへ引っ越そうと思いましたね。
嫌ですよ。ヤクザに知られてるアパートなんて。

ふと、晴美が使っていた鏡台に目がいったんですよ。
リボンのついた箱が置いてあるんです。

空けて見ると、以前から私の欲しがってた時計でした。
あぁ、そういえば明日は私の誕生日だ。

こんな私でも涙がつーっと出てきましてね。
その時初めて、晴美に惚れてたんだな、と気がつきました。

え?それでヤクザの事務所に晴美を取り返しに行ったかって?

はぁはぁはぁ、映画じゃないんですから。
これは現実の、しょぼくれた男のお話ですよ。

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