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ネットに落ちてた怖い話

第56章 昔田舎で起こったこと

腰を抜かしてたAが叫びながら勝手口から逃げ出した。

パニック状態だった俺とCも、Aの後を追った。

廃屋の中からは相変わらずBの何語かも分からない怒号が聞こえていた。

Aは叫びながらもう1軒の廃屋の戸をバンバンバンバン叩いていた。

俺とCはAにBを助けて逃げようと必死で声を掛け続けたが、Aは涙と涎を垂らしながら、バンバン戸を叩き続けた。


B「おい4くぉ30fbklq:zぢ」


Bは相変わらず葛篭の部屋で叫んでいる。

×印に打ち込まれた木の板の隙間から、Bが葛篭から何かを取り出しては暴れている姿がチラチラと見える。

そして、Bの居る廃屋の玄関には、明らかにBでは無い人影が、Bの居る部屋の方に向かってゆっくりゆっくり移動してるのが見えた。


バンバンバンバンバンバン

カタカタカタカタガタガタガタガタガシャンガシャンガシャンガシャンガシャン


Aが戸を叩いてるもう1軒の廃屋は、Aがバンバン叩いているのとは別の振動と音がしはじめていた。

そしてAも、B同様「○○!」とある人名を叫んでいた。

Bのいる部屋を見ると、Bのそばに誰かが居た。

顔が無い。いや、顔ははっきりと見た。

でも、印象にまるで残らない、のっぺらぼうのようだった。

ただ、目が合っている、俺のことを見ていることだけはわかった。

目なんてあったのか無かったのかすらもよくわからない顔。

俺はそいつを見ながら失禁していた。

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