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ネットに落ちてた怖い話

第59章 アケミちゃん

部屋に着くとアケミちゃんは楽しそうに俺の部屋を物色し始めた。

「男の人の部屋てやっぱ結構散らかってるんだねー」

とか言いながら色々見て周っている。

が、俺のほうは気が気ではない

今は機嫌が良いが、このあからさまなメンヘラちゃんがいつ機嫌を損ねるか解らない

そして機嫌を損ねたら恐らく俺は殺される。

すると彼女は

「部屋散らかっているし片付けてあげるね」

と言い出した。

この状況だけ見れば物凄く「おいしい」シチュエーションだ

まるで付き合ったばかりの彼女を始めて自分の部屋に呼んだような、そんな状況と言っても過言ではない。

しかし、部屋にいるのは巨大な中華包丁をバッグの中に隠し持ったコテコテのメンヘラさんであり、俺はメンヘラさんに捕らえられた哀れな獲物でしかない。

そんな事を考えていると、アケミちゃんは例のカチ、カチ…カチ、カチ…という音をさせながら部屋の隅に無造作に積み上げられた雑誌やマンガやテキストやその他諸々を種類ごとにわけて整理し始めた。

その時、恐らく彼女は髪の毛が邪魔に思ったのだろう、少し無造作に自分の首もとの髪をかき上げた。

その時俺は信じられない物を見た。

アケミちゃんが髪をかき上げて見えた首筋に薄っすらと線が入っており、それは後ろの方まで続いているのだが、丁度うなじの真上部分で「縁が欠けている」ような状態になっていてそこだけ「ちゃんとかみ合っていない」としか見えない状態になっている。

そしてそのかみ合ってない部分が、アケミちゃんが動くたびにカチ、カチと鳴っているのだった。

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